書評・FALLLINE 2018 No.1

 

 毎年、この季節になりますと、雪山関係、滑り関係のSNSを賑わすこの雑誌。

 

Youtube全盛、SNS全盛のこの時代に、編集長が「雪山の文芸春秋」を目指す、と標榜する時代へのレジスタンス。

 

 

ファイトクラブのブラッド・ピットの言葉をもじれば、

 

「動画?SNSだって?そんなものはタイタニックと一緒に沈んじまえばいいんだ!」

 

という意気込み。

(注・編集部の方は誰もそんなことを言ってません。)

 

文字を駆使して、文学を綴り、カメラを振り回して、動かざる写真に価値を見出す。

 

第三次世界大戦が起こって電源がなくなっても、

太陽がなくならない限り、最後まで楽しめるのは、動画ではなく雑誌である。

  

 

それならば徹底的に文字だけで、この雑誌の魅力をお伝えしようではないかと思い、

本記事を思いつきました。

  

 

以下、5つのストーリーのみ、書ならぬストーリー評です。

本誌とあわせてお楽しみください。

 

 

1・INTO THE WILD 巻かれてみせろ

 

・文 渡邊雄太

・写真 田島継二

 

JONES SNOWBOARDの日本人ライダーとして活躍している渡邊雄太の筆による、

彼のライダーとしての先輩・小西隆文にまつわるストーリー。

 

以下、割愛。

 

 

2・旭川オートルー

 

え?

 

ちょっと、、、書評って言っておきながら、

いきなり割愛って、ひどくありません???

 

 

いやー、そうなんすけどねー。

 

でもねー今回のライダーじゃなくて、ライターの渡邊雄太、10代の頃から知ってて、

あまりに身内感強すぎて、彼に関してうんぬん書けないんすよー。

 

これはねー、きっと彼も同じだったと思うんですよ。

 

今回フィーチャーしているのは、ずっと追いかけてきた先輩の小西隆文氏に関してのストーリーでしょ。

照れやら、遠慮やら、その他二人にしかわからない、秘密の関係やら、

色々とある中でのインタビューですからね。

 

でも、そんななかで雄太は立派な仕事していると思いましたよ(完全に上から目線)

 

ライダーなんてみな個性の塊ですからね、

そのバックグラウンドを打ち消して、冷静に、先輩の話をするんですからね。

 

でも、その仲間うちでの、葛藤を裏で読み取りながら読みすすめると、

 

なんだかこのHEART FILMSっていう集まりは、

本当に、刺激しあえるいい仲間たちなんだなって思いますよ。

 

それがね、一番現れているのが、P62 の

 

「ヘインズでの撮影の締めとして、彼らはヘリを使った空撮を慣行した。借金覚悟の活動である。」

 

との一文ですよ。

 

欧米のメジャーフィルムと違って、スポンサーも予算もカメラマンの人数も、

すべてが限られた中での、活動ですからね。

 

そんな中で、仲間の勇姿を活かすために、

借金覚悟で、フィルマーの田島継二氏は一シーンを残す決断をするわけです。

 

借金してまで、仲間の晴れ舞台に最高のアングルを用意する友達。

そんな友達は人生で何人も得られるものではありませんよ。

 

この一文が、HEARTFILMSっていう独立集団の価値を物語っているわけです。

 

そして、彼らがいて、世界レベルに肉薄する映像を毎年残しているおかげで、

どれだけ日本のフリーライド・スノーボード界の底上げになっていることか、

 

それはそれは計り知れないものがありますよ。

 

 

その他、映像、写真と絶えず二刀流で攻め続ける田島氏の写真。

映像を撮りながら、撮影した写真だと知れば、想像力を掻き立てられる気がします。

 

田島氏の写真で、「お、これはいい写真!」と思うのは、

おそらく映像を平行して撮っていないであろう、

人物のポートレートであったり、

ライフスタイルの写真であったりします。

 

ゆったりと流れる時間の中、仲間との本当にイイ時間を切り取っている気がするのです。

 

カナダで五年近く過ごした私が感じるカナダの時間は、

 

この田島氏の写真の暖かみのうちに感じられる気がします。

 

それにしてもいいですねー、このHEART FILMSっていう集団。

 

映像にも、渡邊雄太の筆によるこういった記事が付属すると、

また違った価値が生まれますね。

 

 

 

***

 

ふー、

 

今日はここまで。

時間なくなってしまいました。

 

こんな短いブログでも、

文章って、書くの結構時間がかかるんすね。。。

 

 

 

その他、5つの書評書くまでに、冬が始まってしまう気が…。

 

 

YH